グローバル市民教育へ

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2021年度から、グローバル市民教育に関する2つの科研費研究を新しく始め、日本において言語教育やグローバル・スキル関係の授業を通じてどのように「グローバル市民性(Global Citizenship)」を育成すべきかについてその評価方法を含む調査・研究を開始した。

ヨーロッパでは、真のグローバル市民教育には、異文化間能力に加えて、人権や異文化の視点の尊重、社会的平等、環境のサステナビリティ―への寄与などを包括する「民主主義の根本概念の理解、多様性の積極的受容及び世界の諸問題に対する対処・解決能力」が必要であるという考え方が主流になり、ヨーロッパ評議会は新しい枠組みであるRFCDC (Reference Framework of Competences for Democratic Culture) とその実践のためのポートフォリオを下記ウェブサイトに提供している。そこに含まれる指導案や教員トレーニングなどの参考資料が徐々に増えているが、アジア圏での適用例はまだあまりない。

【資料】RFCDCのウェブサイト
【資料】RFCDC Booklet

【 INTED2024 ポスター発表(その1)】
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基盤B研究(民主的文化を含む新しいグローバル市民教育の指標と教育モデルの構築、2021-2023年度)における試みの全体を左のポスターに示す。まずRFCDCの主要項目135(細目1893)を詳細に検討・検証し、日本のグローバル市民教育に必須と考えられるもの(妥当性)、外国語教育とそれに関連する異文化理解教育、市民教育などのカリキュラムやプログラムの中で安定した結果をもたらすもの(信頼性)、現在の高等教育に反映することが十分可能なもの(実行可能性)の3点を中心に検証を重ねて、日本の外国語教育、コミュニケーション関連の一般教養科目、専門科目に適合するものを取捨選択し、現状に合うように変更を加えた。

項目の詳細検討と並行して、協力者に以下の3種類の言語及びコミュニケーション関連科目において、それぞれの科目に反映できる指標を基に様々な授業モデルを構築していただいて、実証実験後に修正・改善を行ってきた。最終的には、日本の言語教育・グローバル教育・市民教育に適用すべき指標をまとめ、授業タイプ別の指導モデルを本ウェブサイト上で提案する予定である。

  1. タイプ1(初級項目使用):英語必修科目,その他言語に関する基礎科目
  2. タイプ2(中級項目使用):上級言語科目(EAP/ESP/CLIL/EMI科目など)
  3. タイプ3(上級項目使用):コミュニケーション関連の一般教養科目と専門科目
    (応用言語学科目、グローバル・スキル、異文化理解など)

【論文】LCA Journal 第36号掲載論文
【論文】INTED 2024 国際大会予稿集
【発表】第56回イギリス応用言語学会発表

●大妻中野グローバルセンターにおける「グローバル人材育成シンポジウム(2022年11月12日開催)」より

  1. 冒頭趣旨説明
  2. 学生発表例とSTEAM教育に関する講演
  3. 科研費研究に関する講演