グローバル市民性の評価

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グローバル市民性の評価については、授業評価の一環として各授業に反映させたRFCDCの指標を使った学生の自己評価と教師による質的評価を行っている。それと並行して、挑戦的萌芽研究(グローバル市民性養成を目指すAI型オンライン評価システムの開発、2021-現在)においては、前萌芽研究(2016-2018)で構築したグローバル人材の指標とその評価方法(エッセイテストと自己評価リスト)を基にオンライン評価システムを開発している。

【INTED2024 ポスター発表(その2)】
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現在進行中の、この挑戦的萌芽研究における試みの全体を左のポスターに示す。前萌芽研究(2016-2018)では、グローバル人材として活躍する多数の日本人へのアンケートやインタビューを基に40項目の指標を確定し、それを測定するためのテストや自己評価リストを開発したが、実証研究がまだ十分とは言えなかった。今回の研究課題では、テストや自己評価リストの妥当性や信頼性を更に検証し、同時に小・中学生向けの20項目からなる簡易版のテストと自己評価リストを開発・検証している。これらのデータを精緻化・統合して、教育段階別のポートフォリオ型オンライン評価システムを構築する。現在試行しているのは、数値的検証に加えて、AIによる学生や生徒の解答やインタビューのテクスト分析を行い、個々人に対して将来グローバル人材になるために身に付けるべき資質を現段階での診断として示すことである。

前萌芽研究で構築した指標は「グローバル人材」に必要な要件の指標であり、RFCDCが掲げる「グローバル市民性」にはより広い理念的概念が含まれる。よって、萌芽研究によって構築したオンライン評価システムをグローバル市民性の評価の一部として使うような指導方法やモデルも考案していく。そのために、2つの科研研究(基盤Bと挑戦的萌芽研究)の指標間の相関関係を探ったり、RFCDCにしか含まれない指標の評価方法を加えたりすることで、これら2つの研究が最終的には日本におけるグローバル市民育成教育のさらに発展的な試みにつながっていくように、検証プロセスや指導・評価モデルを公開していきたい。